「ほめ育て」とか「叱らない子育て」という言葉はよく聞きますが、「叱らない」に関して、誤解したまま「叱らない子育て」を実践しようとすると、困った事態につながる話もよく聞きます。
叱らない子育てを間違ったアプローチで続けてしまうと、将来的に社会のなかで困るのは子供…!
今回は、子供を叱らない方針の育児で明暗を分ける要因についての話題です。
叱らない子育て「あるある」
◆ 親から叱られた経験がないと、学校や職場などで厳しく注意されたら、あからさまに拗ねた態度が顔などに出る。
先輩や先生など間違いや改善点を指摘して教えてくれる人がいても、「否定された」と感じて素直にアドバイスを聞き入れられないのですね。
自分と異なる意見を受け入れない傾向が強く、扱いにくいから相手にされなくなり、改善や成長のチャンスも少なくなってしまうという悪循環も。
◆ ルール違反や乱暴など、ダメなことも叱られないままだと、周囲の子とトラブルになることが多く見られる。
周りに危害を加えるような行動や、大きな迷惑になることに関して親が適切に注意しない状況を目の当たりにして、疑問や不快感を覚えたという声は多く聞こえてきます。
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また、勉強に関しても本人の好きなようにさせているうちに、授業についていけないほど勉強に遅れが出て「学校が嫌」と言い出す段階になって、親も悩んでしまうケースも。
「叱らない」という言葉の意味とは
叱らない子育てを実践しようとして子供の好きにさせているうちに、取返しがつかないくらいワガママになってしまった!
打たれ弱く、ちょっと辛い課題があると行動できない。
結局、後になって親も子供本人も大きな苦労を背負うことに… という例も少なくないことが判明。
「叱らない」の意味は、「放任」とは違って、
「親の感情をぶつけたり、暴力でおさえたり、子供の人格を否定するような攻撃的な言い方をしたり… といった間違ったしつけはNG!」
という意味が含まれるのではないでしょうか。
子供の言動について注意すべきときには、子供を抑えつけるかわりに、
「子供の成長を促す関わり方を選びましょう」ということだと思います。
叱らない子育ての明暗・子供の遊び場での実話
叱らない子育てについて考えさせられる、こんな話がありました。
子供の遊び場で、おもちゃを出しては投げっぱなしを繰り返している子供を、しばらく放ったらかしのママ。
いよいよ、散らかし過ぎて大変なことになっていると気づいたお母さんが、「ダメだよ!」「こらっ」「やめなさい!」と、大きな声を出しても言うことをきかない子供。
お母さんはカッとなった様子で外へ出て行ってしまい、泣きながら追いかける子供。後には散らかし放題のおもちゃの山が残り、周りの親子は
「えっ・・・??」
一方、
みんなで遊ぶおもちゃを使いっぱなし・片づけられない子供に対して、
「使ったら、決まった場所に戻そうね。あなただけ遊びっぱなしで、他のお友達が遊びたいとき困っちゃうからね」
という感じで、子供におもちゃを手渡して、しまう場所を教えながら、静かに言い聞かせているお母さん。
子供は、嫌がることもなく、さっとおもちゃを片付けて、お母さんに「よしよし」してもらって笑顔です
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こちらの例のように、
「叱らない」と言いながら子供を放っておくと、子供の困った行動が出たときに対処できなくなって、結局
「逃げるか抑えつけるか」
ということになってしまいやすいことが見てとれます。周りに迷惑をかけてしまう場面が増え、孤立しがちになって、ますます子育てが大変になってしまうデメリットも。
効果的な叱り方・しつけの良いアイデアとは
やんちゃ過ぎる年頃の男の子を育てていると、高いところに昇るとか、せまいところで飛び跳ねてみたり(汗)
危険や人さまへの迷惑が目に見えるから、大声で叱らなければならない場面も、時にはあるかもしれません。
女の子は、急に大人びた口調で、自分がいけないときも都合良く話をするようになったり…
そんな子供に対しても有効な叱り方・しつけ方法の良いアイデアに触れる機会があったので、ご紹介します。
言葉の理解が未熟な子供への効果的な伝え方
子育てに関しては相反するような情報も大量に出回っていて、結局何が正しいの?と、戸惑うこともありますが、言葉で理解する力がまだ十分ではない子供に対して効果的な伝え方としては、
1.人として絶対にいけないことに関しては「いけないよ」とはっきり伝える
2.「理由は、~だからね」
3.「もう、しないでね」
そんなふうに、
短い表現で、子供にわかる理由を伝えて、「今度はどうするか」を示すことが効果的。
まだ理解力が低い子供であっても、親の真剣な表情で感じ取るものは必ずあります。
子供を叱ることや「しつけ」の意味と目的を再確認
子育てに限らず、相当なエネルギーが必要なのに目的が不明なことへ力を注ぐのは難しいもの。
子供の「しつけ」という言葉は、(私は)普段ほとんど使わないのですが、
(しつけとは)子供たちが、この世界で幸せに楽々と活動していけるようにすること
と、説明されている本を知りました。
◆しつけとは、自分自身や他人と仲良くするためのもの。
◆しつけとは、罰するためのものではなく、子供とのかかわりを強め、ものごとを教えるためのもの。
◆子供たちが、より良い方法を見出すのを助けること。
(出典:Steve Biddulph氏「子供を叱らずにすむ方法おしえます」)
このように理解して子供と接する意識をもつと、本当に子供のためになる「叱り方」も見えてくるのではないでしょうか。
しつけには親の断固とした態度が大切
「子供を叱らずにすむ方法おしえます」という本では、いけない行動を子供が改める「奇跡のテクニック」と称賛される方法も紹介されています。
詳細は実際の本を確認していただきたいのですが、
(amazon.co.jpアソシエイト)
大切なのは、子供のことを断固として待つ親の態度だというポイント。
子供の行動を改める必要がある場面では、「あなたのことが大事だから、あなたがそんな行動や態度をとるのを、ママは止めなくちゃいけない」
そんなふうに、親が子供を思うからこその譲らない断固とした態度が、状況改善のカギを握ります。
親の本気の心が伝わったら子供も、否定された!と拗ねる気持ちより
「何がいけなかったのか。次からは、どうしたら良いのか」
思いを巡らせる気持ちになってくれるはずです。
子供に伝わる話し方アイデア
ダメでしょ! と指摘しなければならないことがあったら、同時に、
そういうとき、今度は、~しようね!
「ダメだよ」と子供の行動を制限したなら、かわりに、「どう行動したら良いのか」代替案を子供にもわかるように、はっきり伝えることがポイント。
例えば、
いっつも、出しっぱなし! いい加減にして!
⇒ 使い終わったら、ここに、こうやって片づけようね。
子供が理解して覚えるまで具体的に見せながら伝えることが効果的です。
何回も何回も言ったのに、子供が忘れてる!という場面ではイラっとしてしまうこともありますが
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○○ちゃん、何か忘れてることがあるね~。何だろう?
そんなふうに「クイズ風」に質問するなどの工夫をママも楽しんでみたら、子供の行動が良い方へ変わる効果が格段にアップすることを実感しています。
叱らない子育ての結果と明暗・おわりに
子供が理解できるように。愛情をこめつつ、「断固とした態度で待つ」というのは本当に忍耐がいること。
叱らない子育てって、決して楽じゃない!
実は、すごくエネルギーがいる子育てスタイルだと思います。
「叱らない子育て」が失敗の結果に終わらず効果的に機能するためには、
-根気よく子供に向き合おうとする親の構え
-子供の行動を変える必要がある場面で、「じゃあ、かわりにどうしたらいい?」より良い代替案の準備
-子供が冷静に考えるためのスペース(場所的・時間的)を確保
といったことがポイント。
繰り返し言い聞かせなければならない場合も、子供が自分で考える気持ちになりやすい「クイズ風」の問いかけなどの工夫を、親子で楽しめる心の余裕を持っていたいですね♪
そのためにも、どうかママの心と体を大切に
( ˘͈ ᵕ ˘͈ )♡