子供が怒りっぽい?感情のコントロールが難しくなる理由と対策

気持ちをコントロールできなくなって、相手に強い感情をぶつけてしまったときは、後味が悪いものですよね!子供もストレスを抱えやすい今の時代、内面で強い感情が生まれているとき、爆発してしまう前に気づいて対応できるための話題です。

子供が怒りっぽいとき・感情のコントロールが難しくなる理由

感情のコントロールが難しくなるとき

本当は嫌なのに、どうして感情の爆発は起きてしまうの?ちょっとしたことで、仲の良い相手にイライラをぶつけてしまうとか。
後になってから、そんなに怒る必要はなかったのに。悪いことしちゃった。と思う?
うん。嫌な気分にさせちゃったかな。って、すごく後悔する。
そういうこと、誰にでもあるのかな。
そうだね。お湯は、水に熱が加わったとき100度になったら沸騰するでしょう。それと似て、大人でも子供でも、感情が沸騰してあふれてしまう限界になると、感情のコントロールが難しくなります。

感情的な沸騰(爆発)の具体例

限界になってしまうときって、どんなときなの?
たとえば、やるべきことが多くて忙し過ぎるときとか、急に予想外の出来事に直面したとき。あとは、感情が大きく揺さぶられる状況のとき。

感情が揺さぶられるときって、具体的には、どんな状況?
たとえば学校なら、みんなが見ている前で転んじゃって、すごく笑われてしまって恥ずかしかった、とか。
確かに。自分も笑ってすむ友達の前ならいいけど、知らないみんなにも笑われたら、すごく恥ずかしくてカーッとなっちゃうかも。

その、カーッとなるときって、いろいろな感情が混ざり合っているはず。どんな感情が含まれそうか、思い浮かぶ?
恥ずかしくって、委縮する感じ。そんなことになってしまった自分に怒って、イライラする気持ちとか。人の失敗を笑うみんなにも、怒っているかな。
そうだよね。そういった、心の負担になるようなネガティブな感情が急にいっぺんに出てきたら、心のなかで沸騰してあふれ出る限界になってしまう。

感情がコントロールできず爆発する理由と脳の関係

感情が爆発するときの脳の状態は、「滑り台」のイメージで考えると、わかりやすくなるかもしれません。
滑り台?

滑り台は、滑り降りるところと、上る階段があるでしょう。滑り降りるところは、何も考えなくても自動的にグングン進んでいくのに対して、階段は、上ろうと決めて自分で動く必要があります。
それは、脳のはたらきと、どう関係するの?

たとえば、食事のときにスープの器へ手を伸ばしました。でも、思ったよりすごく熱かったら…
あわてて手を放す。

そうだよね。やけどしたくないものね。でも、その「あわてて手を放す」という行動は、「やけどしないように」と考えるよりも前に、反射的・自動的に起きるものです。滑り台でいうと、滑り降りるところ。
そうか!考えなくても、勝手に進むってことだ。

うんうん。同じように、目の前に大きなものが落ちてくるのに気づいたら、間に合うか考える前に、できる限り逃げようとするでしょう。
または、恐怖でかたまって動けなくなってしまうこともあるかもしれません。その場合も、体にはギュッと力が入っているはず。どちらにしても、考える間もなく反応するときや、感情まかせに反応する状況は、滑り台を滑り降りているイメージですね。

感情のコントロールを失う前の対策は「気づく」こと

感情まかせの反応が、滑り台を滑り降りるイメージなら…
じゃあ、滑り台の階段を上るときは、「感情まかせ」に対して「考えながら動く」ってことだね。
その通りです!

感情まかせではない行動をイメージしよう

さっきの、みんなの前で転んでしまって笑われた、という例で、「笑われて、カーっとなって、誰かを叩いちゃった」とします。その場合、叩いちゃった行動は、滑り降りている途中で自分では止めるのが難しい状況。
一方、「笑われて腹が立ち、相手を叩きたいくらいイライラした。」「それでも、その場を離れて水を飲んで落ち着こう、という行動を選んだ」としたら?
階段を上るほうの、脳のはたらきを使った、ってことだね。

感情と思考は連動している

階段を上る脳のはたらきが十分に機能しているとき、人は、問題があっても可能な解決策を見つけようとするし、ベストな行動を選んで決めようとします。
でも、階段を上るはたらきと、滑り降りるはたらきは、全然関係がないのではなく、コミュニケーションしながら働いています。

そうか。コミュニケーションがうまくいっていれば、さっきの「瞬間的にはイライラしたけど、落ち着く行動を選んだ」というふうに、問題を冷静に解決できるんだね。
うんうん。それに対して、感情的に負荷がかかり過ぎたときなど、大きなストレスを感じると、「こんなに強いストレスは、大きな危険が迫っているのかも!」と、滑り降りる脳のはたらきが反応。

そうすると、思考停止してかたまってしまったり、追い込まれた小動物みたいに突然キレて激しい感情を爆発させ、周りをびっくりさせることも。もしくは、突然泣き出したり、問題を投げ出して逃げ出すケースもみられます。
そんなふうになると、状況が大変になってしまうね!

感情的な負荷が大きくなり過ぎると、冷静に考えることが困難に。思考力が低下し、穏やかな方法で落ち着いて問題を解決することが難しくなってしいます。
そうなる前に、どうすればいいの?

感情に気づくことで爆発を防ぐ対策になる

感情的に沸騰する限界の前に、辛いストレスの刺激や負荷が大きくなっていることに気づくことが大切です。
もう一度、みんなの前で失敗して笑われてしまい、カーっとなっているイメージを思い出してみて。どんなふうに感じていると思う?

顔は険しい表情で、血が上って赤くなっていると思う。体には、ぎゅっと力が入っている感じ。
そうだね。おなかのあたりが、むかむかした感じかもしれません。
心臓も、ドキドキ早くなっている音が聞こえる気がする。

そのように感じている感情を言い表す話題は、さっき出ていたよね。覚えている?
感情を言い表す… 「恥ずかしい」が一番だけど、同時に、怒りとかイライラとか。
そんなふうに、カーっと血が上ってくる感じや、心臓がどうにもドキドキしてワーッとなる感じは、コントロールを失う限界が近いことを知らせるサインです。
そのサインを無視していると、後が大変になるような状況を招きがち。誰かを攻撃して問題を大きくしてしまったり、戻って修復するのが難しい逃げ方をしてしまったり。
そうか~。だから、自分のなかで感じている感情がどういうものか、体のどこかでサインを知らせていないか、気づくことが大事なんだね。

感情のコントロールが難しくなる理由と対策・おわりに

今回は長くなったので、このあたりで終わりにしますが、

‐やるべきことが多くて忙し過ぎるとき
‐急に予想外の出来事に直面したとき
‐感情が大きく揺さぶられる状況のとき

このようなときに、感情のコントロールが難しくなるということを、覚えていてくださいね!

カーっと血が上ってくる感じや、心臓がドキドキしてワーッとなる感じに気づくことで、感情の爆発の予防対策になります。

そのように、強い感情が生まれているサインに気づいたとき、「それは怒り?イライラ?」など、感情を言い表すことを通して、感情の様子が見えやすく、扱いやすくなります

それでは、また改めて、感情のコントロールが上手になる練習例について紹介したいと思います。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました♪