小学校入学の頃は何かと心配でたまらなかった子供も、だんだん学校生活に慣れて交友関係も広がってくると、親が知らないうちに
「そんなこと、どこで覚えたの?」
と、びっくりしてしまうような発言や行動が増えるかもしれません。小学校低学年頃の子供は、中間反抗期ともいわれる「あまのじゃく」な傾向が目立つお年頃。
それは、家庭とは別の子供なりの世界も広がって行く親離れのプロセスの一環なのですが、親への口答えや反抗が急に激しくなる子どもの変化に対して、どんな接し方が子供の成長を助けるのでしょうか。
低学年の中間反抗期は「自分でやりたい!」という成長のサイン
2歳くらい~のイヤイヤ期は、ママやパパと自分は「違う生き物」なのだと気づいた幼い心が、自分の欲求を主張することで自立の一歩を踏み出します。
そこから、園生活などで家族以外との交流も通して、ワガママやイヤイヤだけでは集団生活で孤立して不利になること、欲求の主張のしかたにもコツがあることなどを、子供なりに学んで行くのですね。
では、中間反抗期といわれる小学校低学年頃は、というと、
身体の成長、体力などに加えて、理論立てて考える力
も、育っていく時期にあたります。
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イヤイヤ期では、泣いたりわめいたりする自己主張だったのが、
低学年の時期では、自分で「わかる」「動ける」
そして、言葉で主張する能力も育っているので、やたらと口答えするようになる子も少なくありません。
我が子の態度があまりにヒドいときには、親もイラっときてしまう場面だって当然あります。
また、そのようなヒドい態度のせいで家族以外とのめんどうなトラブルを招かないためにも…と、強く叱ることもあるでしょう。
子供の口答えや「あまのじゃく」への対策
そもそも自立のプロセスの一部である反抗期。
大人からの一方的な命令では不満が溜まり、ますます抵抗したくなるのがその時期の子供の心理です。
危険なことや乱暴な言動など、自他を傷つけるようなことは決して起こらないように注意が必要ですが、自立したい子供の成長を助けるには親として効果的な対応とは…?
押し付けられると子供の抵抗は強まる
「だめだよ!」と、一方的に禁止の命令をされたり、「やりなさい!」と上から押しつけられると、その場では親に従ったように見えても、子どもの心に残るのは不満。
子供としては納得できない「一方的な禁止」や「押しつけ」が度重なると、不満のエネルギーが困った行動へ注がれ、
親としては止めてほしかった子供の行動が、かえってエスカレートすることも少なくありません。
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「あまのじゃく」など困った行動解消のための具体例
だめ!と押さえつけられるほど子供がますます反抗したくなる状況を防ぐには、
「それ、あなたにとっては、おもしろいんだ~」
と、いったん子供の行動を受け止めるメッセージを伝えることがおすすめ。
そうすると、その時点で子供が反発するエネルギーが生まれないため、落ち着いて話ができやすくなります。
そのようにして話せる準備ができたうえで、
「あなたはおもしろくても、相手は、違う感情の場合もあるよね」
「自分だけ楽しくて、相手が嫌な気持ちになってたら、どうかな?」
「反対の立場だったら、どうかな」
と、具体的に状況をイメージしながら子供と話したら、子供の態度も行動も、一方的に「だめ!」と否定されたときとは必ず違ってきます。
反抗したい年頃の子供の心理と、成長を助ける対応
さて、「頭ごなしの否定は逆効果」と理解はしつつも… 我が子が、人の気持ちを逆なでする言葉を連発!自分がうまくいかないことでキーッとかんしゃく・八つ当たり!
といった状況が続くと、やっぱり疲れてしまいますよね。以下、具体的な対応の例を更に見ていきましょう。
反抗期の子供の心を掴み、やる気を引き出す秘訣
ダメ出しのかわりに上手く乗せる
例えば、静かにしなくちゃならない場面で子供が騒がしいとき。「静かに!」「うるさいよ!」とダメ出しするかわりに、
「静かに、できるかな。無理かな~。できないんだろうな~」
すぐダメ出しするかわりに、子供を上手く乗せて前向きな行動を引き出す対応が効果的。
いたずらっぽく、子供が自発的に挑戦したくなるように仕向けることで、子供たちの「やる気」が刺激されるのですね。
「あなたには、無理だよね」と、冷たく突き放すのではなく、あくまでも
「無理かな~。できちゃうかな~。やっぱり無理なんだろうな~笑」
子供が自分から「できるよっ!」と、思わず口に出したくなる。できる自分を見せたい気持ちが湧き出てくる。
そんな、楽しい雰囲気の働きかけです。
キッズのココロわしづかみ術
心理学のカリギュラ効果を子供の成長に活用
古典的なお笑いのネタで、「押すなよっ押すなよっ」は、「押して」のサインだよね(笑)
というパターンがありますが、「やるな」と言われるほど、やってみたくなってしまう人の心について、心理学では「カリギュラ効果」と呼ばれます。
まだ理性が未熟な子供は、好奇心が勝っていることもあり、「見るなよ~笑」と言われると、楽しそうな雰囲気を感じるほど
「見たくてたまらない!」感情が高まります。
この心の傾向を、子育てや教育の場などで上手く活用することが可能なのですね。たとえば、
◆ 見てほしいメモなどを、「これ、まだ見ないでね~(笑)」と、置いておく
◆ 本当は読んでほしい本を、「まだ読まなくていいからね~」と、置いておく
といった方法は、時と場合に応じて有効に活用できると感じます。
コツは、子供は楽しいことに心ひかれて行動するので、とにかく「楽しそうな雰囲気」を演出することで効果が大きくなります。
一歩引いて見守ることで子供の責任感が育つと気づく
使ってほしくない乱暴な言葉や聞き苦しい言葉を、人の集まる場で子供がしつこく使いたがるような場面では、親の堪忍袋の緒が切れそうなことも。とはいえ、
やめてほしいことをわざと繰り返す行動が招く結果=嫌な気持ちになった相手が離れて行ってしまう
といった気づきや学びは、体験を通して深まっていくもの。
◆自分だけがおもしろくて相手が嫌な行動は自分の孤立を招くのだな~
◆相手が嫌がることをして、結局かなしい思いをするのは自分なのだな~
と、身をもって体験することを通して、子供は自分自身の行動に対する責任を学ぶのですね!
中間反抗期の子供との接し方・おわりに
小学校低学年の時期の「あまのじゃく」「口答え」といった反抗的な態度は、親離れ子離れが加速するタイミングだというサイン。
人に不快感を与えがちな態度も目立ってくるので「しっかり言ってきかせなければ」と親の責任を感じたりしますが
・・・
本当は「良くない」と、子供が内心では気づいている言動に関して、大人から頭ごなしに抑えつけられるかわりに、
「あなたは、それを、おもしろいと感じたんだね」
と、いったん大人が子供の思いを受け止めたとき、
「自分の気持ちも尊重された」
と感じられたことによって、子供は反抗心を燃やすかわりに感情のコントロールができやすくなります。また、
「あれも、これも、だめ!」
と、大人が先回りしすぎてしまう行動によって、「体験から学ぶ」という子供のチャンスが奪われてしまうことも。
子を思うがゆえの口出し・手出しも、一定のラインを超えると残念ながら子供の成長の邪魔になる「過保護」「過干渉」ということに。
我が子が体験から学ぶ機会をできるだけ尊重して、もし、外で傷ついて戻ってきたら、「よしよし」してあげたいと思います
( ˘͈ ᵕ ˘͈ )♡