今の時代では、どの家にも当たり前のように設置されている窓ガラスですが、日本の昔話に出てくるような家と、ガラスのイメージって、あまり結び付きません。
日本で広く窓ガラスが使われるようになった歴史は?窓ガラスが日本で普及するのが遅かった背景は、どういったことだったのでしょうか。
日本の窓ガラスの歴史について、調べてみました。
日本のガラス窓の歴史
日本にガラスが伝わったのは、いつ頃かと調べてみると、弥生時代の遺跡からはガラスが見つかっていることから弥生時代にはガラスが中国(当時の漢)から伝わっていたといわれます。
では、窓にガラスを使った歴史は?というと、元禄時代に伊達綱宗が輸入品の板ガラスを障子にはめ込んだ、という記録があり、日本での「窓ガラス」は、それが最初だということ。
幕末になって、日本に住む欧米人用の洋館にはガラスの窓が使われていたそうです。
でも、一般向けに広く窓ガラスが使われるようになるまでには技術的な困難が多く、大正時代になってから、富裕層の家にガラス窓が見られるようになったようです。
◆工業用品としてのガラス製造は明治に入ってから
◆日本で本格的な板ガラス工業は明治40年に旭硝子によって
◆板ガラスの大量生産は20世紀初頭から
(出典:旭硝子HP「旭硝子ヒストリー)
日本でガラス窓の普及が遅かった背景は?
ガラス窓が、広く一般に使われるようになったのが遅かった理由として、
◆日本ではガラスの原料の珪酸がほとんど取れなかった
◆徳川吉宗の輸入解禁により原料の輸入されるようになり、江戸切子などが発展
◆ガラスの生産には熱・火力が欠かせないため、ガラスの生産は森林を燃やし尽くすことになった
◆燃料として石炭や石油が発展してからは、ガラスのために森林を燃やす必要がなくなり大量生産が可能になって行った。徐々に窓ガラスの使用が一般にも広がる…
という経緯があるということでした。
日本の窓ガラスの歴史について・おわりに
昔の日本の家では、木の扉や障子紙を貼った戸が一般的だったということ。
家の中に居ながら外の景色を楽しむことができて、なおかつ外気から守られるガラス窓は、もともと一部の富裕層だけの贅沢品だったという歴史がわかりました。
同時に、人間にとって便利な暮らしと自然破壊とは、隣りあわせに進行してきたという歴史も知ることになり…
歴史を学ぶことって、今後のより良い生き方について見つめなおそう・考えようと、意識を整え直す良い機会になりますね☆